いまブームのサウナは何がそんなに良いのか調べてみた

知識の泉

ここ数年、ブームが続いているものの1つに「サウナ」があります。

テレビや雑誌でも特集されたり、サウナを題材にしたドラマが人気になったり、YouTubeでもサウナーと呼ばれるサウナ愛好家の動画が人気になったりしていますよね。

昔はサウナといえば、おじさんが入るもの、というイメージを持っていた人も多いのではないでしょうか。かく言う私も、父親がサウナ好きで、温泉や銭湯に行くと必ずサウナに入る父親を見て、「何が楽しいんだろうなぁ」と子供ながらに思っていたものです。

それが今や、サウナは若い女性にも大人気となり、人気のサウナは多くの利用客でにぎわっています。

そんなサウナブームにまんまと乗っかり、私も1年前ぐらいからサウナを利用するようになり、今では毎週サウナに行くほど、すっかりサウナーとなってしまいました。

サウナは本当に気持ちよく、サウナを習慣化するようになってからは心も身体もすっかり調子が良くなったのですが、実際サウナには医学的にどういった効果・効能があるのかを、もっと詳しく知りたいと思い、今回サウナについて詳しく書いてみることにしました。

サウナ好きはもちろん、サウナに興味はあるけどまだ試した事がないというあなたも、ぜひ最後まで楽しんでいってくださいね。

サウナで脳と身体をコンディショニングする

すっかりハマったサウナの魅力

冒頭でもお話しましたが、毎週サウナに行くほどのサウナ好きとなった私ですが、昔はサウナとか暑すぎだし、水風呂は冷たすぎて入れないし、何が楽しいんだろう、と思っている人でした。

ただ、毎週のように銭湯や温泉に行ってはサウナに入る父親や、サウナを楽しむおじさんたちを見ながら、ハマってしまう何かはあるのだろうなぁ、とぼんやり感じてはいました。

その後、岩盤浴がブームとなり、こちらはサウナほど高温ではなく、水風呂にも入らなくて良いので、私もすっかりハマり、頻繁に岩盤浴に通うようになりました。

ですが、岩盤浴にはハマったものの、やはりサウナは依然として食わず嫌いのまま、入ることはほぼありませんでした。

そんな中、世の中のサウナブームが到来し、各メディアでサウナの魅力に触れだし、周りのサウナ好きに、水風呂も正しく入れば意外と入れるよ、などと言われると、そこまで言うなら試してみるか、と近場の温泉にあるサウナに入ってみたのがサウナーへの第一歩でした。

いわゆる「ととのう」という状態を初めて経験した時は、それはそれは不思議な感覚で、「あぁ、きっとこれが、ととのったー、という事なんだな」とすっかり気持ちよさがやみつきになっていました。

その後、もっと「ととのいたい」、もっとサウナの良さを満喫したいと、様々な温泉のサウナを試し、自分にあったサウナの入り方を試してきました。

そんな私がサウナの効果を特に感じたのが、長年悩まされつづけていた肩こりと首や背中の痛みがすっかり気にならなくなったことです。

昔からデスクワークやパソコン作業も多かった私は、もう20年近くひどい肩こりや首、背中の痛みに悩まされてきました。そして、それらがひどくなると起こる頭痛とも、いやになるほど付き合ってきました。

もちろん脳神経外科でCTスキャンなどの検査もしましたが、頭痛の原因となる病気は無く、首や肩の緊張からくる頭痛とのことで、ひどいときは常に頭痛薬が手放せない状態でした。

マッサージや整体、整骨、その他様々なものを試しましたが、一時的には良くなるものの、やはり疲れが溜まってくると、症状は再発し、肩・首・背中はつねに凝っているような状態で、マッサージなどに行くたびに、あまりのコリと固さに必ず驚かれるほどでした。

そんな私ですが、サウナに通うようになってから、ふと、「あれ?そういえば最近肩こり気にならないな・・・。」とある日気づいたのです。

あれほど長年悩まされていた肩こりを忘れてしまうほど、ほとんど感じなくなっていたことに気づいたのです。これは衝撃でした

そして、肩こりだけではなく、身体全体の疲れや、メンタルの疲れも感じにくくなった気がして、なんだか気持ちが落ち込んだり、夜あまり眠れないことも少なくなっている事に気づいたのです。

もちろん人によって効果は違うと思いますが、個人的には非常に効果を感じたことから、「サウナについてもっと知りたい!」と思った時に、ある本と出会ったのです。

医者が教えるサウナの教科書

私がサウナについてもっと知りたい!と思った時に出会った本とは、慶應義塾大学医学部の特任助教であり、日本サウナ学会代表理事を務められ、通称サウナ教授と呼ばれる、加藤容崇先生の著書、「医者が教えるサウナの教科書」でした。

Amazon.co.jp: 医者が教えるサウナの教科書――ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか? eBook : 加藤 容崇: 本
Amazon.co.jp: 医者が教えるサウナの教科書――ビジネスエリートはなぜ脳と体をサウナでととのえるのか? eBook : 加藤 容崇: 本

医師であり、サウナーでもある著者いわく、「サウナは全ての健康法の中で、最も効率的に、そして瞬時に脳と体をコンディショニングすることができる」からおすすめだ、と言います。

つまり、サウナは体の疲労を取るだけではなく、脳の疲労もしっかり取ってくれるのだ、と言います。

やはり私が感じた、身体だけではなく、メンタル面での良い効果は気のせいではなかった、ということです。

この本の中では、サウナの効果として以下のような多くの事を挙げています。

  • 脳疲労が取れる
  • 頭が良くなる
  • アイデアが湧きやすくなる
  • メンタルが安定する
  • 睡眠の質が上がる
  • 目、肩、腰の疲労が取れる
  • 肌がキレイになる
  • 痩せやすくなる

そして、「サウナは前菜」である、とも述べています。

実は、本当のメインは「サウナ」ではなく「水風呂」なのだと、著者は言います。

水風呂が苦手でサウナを敬遠している人からすると、「え!マジか・・・」と思うかもしれませんが、実は水風呂は入り方にコツがあります。これは後ほど詳しく述べますが、一度慣れてしまえば、少々冷たい水風呂では物足りなくなり、キンキンに冷えた水風呂を求めるようになるから人間とは恐ろしいものです笑

かく言う私も、今ではぬるめの水風呂では物足りなさを感じるようになり、家でも熱いお風呂に入っては冷水シャワーを浴びる交互浴も大好きになってしまいました。

著者がいうサウナとは、「サウナ(前菜)⇒水風呂(メイン)⇒外気浴(デザート)」という一連のルーティンを行なうことで最大限に効果を感じられる、つまりは「最高にととのう」状態になれるというのです。

サウナはとても高温で80度~100度といった環境に身を置くことになります。すると身体は緊急事態だと感じ、交感神経が優位になります。つまり「戦闘態勢」に入るわけです。

たしかに、普段の生活でそんな高温の環境に身を置くことなど、普通はほぼありませんよね。

そんな緊急事態の中、続いて低温の水風呂に入ることで、身体はさらに危機的状況だと感じます。これはいよいよヤバイ!!と感じるわけですね。

そんな、身体がフル回転してなんとかこの危機的状況を乗り切ろうとしている時に、外気浴でゆっくりリラックスすることで、身体は、「やっと危機を脱したぞ。なんとか生き延びた!」と感じてリラックスします。そこでは副交感神経が優位になります。

これが、サウナ⇒水風呂⇒外気浴というルーティンを行なった時、あなたの身体に起こる変化、というわけです。

では、この身体の変化、働きが、あなたの身体にとってどのような効果をもたらすのかを、さらに詳しく見ていきましょう。

サウナの驚くべき効果とは

身体的効果

疲労回復 目・肩・腰の疲労が取れる

サウナに入ることで真っ先に、そして多くの人が体感できるものが、「疲労回復」効果ではないでしょうか。

特に、「目・肩・腰」といった、もはや現代病とも言えるようなしつこい疲労感を軽減できる、というのはサウナの大きな魅力の1つと言えます。実際に私自身も定期的にサウナに通うようになり、疲労回復はもちろん、疲れが溜まりにくくなった実感と、溜まる前に回復させる大切さを身に染みて感じるようになりました。

これら疲労回復の効果がサウナにある理由としては、やはり「サウナに入ると血流が良くなる」ことがあげられます。

サウナに入ることで、安静時に比べて2倍近くも血流が良くなり、血流が良くなることで酸素の摂取量も増えます。

同時に、心臓から全身に送られる血液の量も増えますので、酸素や栄養が全身により良く供給されるようになります。

これら酸素摂取量の増加と、酸素や栄養が全身に良く行きわたることにより、疲労回復効果が期待できる、というわけです。

肩こり解消

先ほどの疲労回復効果でも述べましたが、私自身も特にサウナにハマっている理由の1つが、この「肩こり解消」効果です。

私の周りでも長年肩こりに悩まされている人は多いですし、世の中には肩こり解消グッズやマッサージなど多くの関連商品やサービスがありますので、非常に多くの人が肩こりに悩んでいるのだと思います。

そんな肩こりの主な原因は、「筋肉の緊張や血流不足」だと言われています。

実際、私も特に肩こりがひどくなるのは、長時間同じ姿勢でデスクワークをしたり、ストレスや緊張が続いた後などです。

サウナに入ることで、血行促進効果が得られ、血流が良くなるのは先ほどもお伝えしましたが、これにより、筋肉内を循環する血流量も増えます。

また、汗とともに疲労物質、いわゆる乳酸の排出も促されることで、結果的に肩こりの改善に効果が期待できるというわけです。

もちろん1回サウナに入っただけで肩こりが全て無くなる、というわけにはいかないでしょうが、少なくとも私自身はひどいコリや痛みは緩和しましたし、継続的にサウナに入ることで、疲労やコリ自体の蓄積が少なくなったのか、気づいたらほとんど肩こりを感じなくなっていたのは事実です。

脳疲労が取れる

続いてのサウナによる身体的効果は「脳疲労の解消」です。これは今一つピンとこない人も多いかもしれません。

私も初めて聞いた時には、「脳疲労って何だ??」と思ったものです。

ですが、詳しく調べていくと、現代社会では特に情報量も飛躍的に増え、それを処理する脳をとても酷使している状況であることが分かってきました。

実は皆さんが思っている以上に、あなたの脳はヘトヘトなのです。

移動中でもスマホを見たり、ご飯を食べながら、テレビを見ながら、ゲームをしたり、ネットサーフィンをしたり、SNSをチェックしたりと、脳は休むことなく働き続けています。

そんな環境ですから、脳も当然疲労が溜まります。あまりに入ってくる情報が多く、寝る直前までスマホを見ている、といった状態では、さすがに脳も疲れて処理能力が低下してしまいますよね。

そんな、いつもあなたのためにフル回転で頑張ってくれている脳を休ませることができるのが、「サウナ」だと著者は言います。

サウナと水風呂はどちらも身体にとって危機的状況であることは最初にも述べましたが、そんな身体にとって生命の危機とも言える緊急事態では、脳をいつも通りに働かせている余裕は無くなります。その結果、脳の活動は一気に抑えられ、結果的に脳は休息状態になる、という訳です。

つまりは「脳を無理やり休ませる」ことができるのが、サウナと水風呂というわけです。

これは実際に体験してみると実感できると思いますが、100度近いサウナの中や、そこから一気に冷水につかった状態では、何かをゆっくり考えるなんてとてもできません。

ひたすら暑さに耐え、身体の発汗や体温上昇、周りの熱気を感じながら、ただただ「暑いな」と感じ、そして水風呂では急激に冷やされた感覚を感じるのみです。

また、サウナが脳にとって良い理由は他にもあります。それは、「脳の血流を増やせる」ということです。

サウナという高温状態に置かれた身体は当然体温が上がります。そして身体全体の血流が良くなった結果、体内の温度を保とうとする働きによって、身体の表面にある皮膚の細かい血管だけが一気に収縮します。

そうすると、体内の太い血管だけで大量の血液を循環させることになるため、当然太い血管の血流は大幅に上がり、結果として脳への血流量も増える、というわけです。

そして、脳への血流量が増えたことにより、脳に溜まった老廃物を押し流してくれる効果も期待できます。

また、サウナ好きが良く口にする「ととのう」という状態は、脳内物質の分泌が大きく関係しています。

サウナの高温と水風呂の低温という危機的状況に置かれた場合、脳内では「アドレナリン」「エンドルフィン」という脳内物質が分泌されます。

アドレナリンには「鎮痛作用、集中力アップ、頭がさえる」といった効果があり、エンドルフィンには「多幸感や恍惚感を感じる、身体を修復する」といった効果があります。

そして、「ととのう」という状態は、「サウナ→水風呂→外気浴」という一連の流れを行なった際に、外気浴中に感じる、「最高の気持ちよさを感じながらも、頭はさえわたっている状態」を指します。

これは、危機的状況に置かれていた身体が、外気浴というリラックス状態になったことで、危機的状況を脱したと感じ、副交感神経優位の状態になりながらも、脳内にはアドレナリンやエンドルフィンといった脳内物質がまだ残っている状態によって起こるとされています。

アドレナリンやエンドルフィンの半減期、つまりは量が半減する時間はだいたい2~3分程度と言われており、水風呂を出て外気浴を行なっている時には、まだ脳内物質の効果が続いているというわけです。

また、このことから、最高に「ととのう」状態というのは、「水風呂を出て2~3分の間」となりますので、いかに早く外気浴のリラックス状態に移行できるかが、最高に気持ちよく「ととのう」ことができるかのコツと言えます。

もちろん、最近では浴室内に通称「ととのい椅子」と言われる、ゆったりくつろげる椅子が置かれている施設も多いので、それらを活用していち早くリラックスするのも良いと思います。

頭が良くなる、アイデアが湧きやすくなる

こちらについては、「頭が良くなる」という状態をどう捉えるかにもよると思いますが、先ほどの脳疲労のところでも述べたように、脳が疲れてくると処理速度や作業量、集中力といったパフォーマンスは当然低下します。

そこで、サウナによって脳疲労を取ることで、脳の働きが正常化される、というわけです。

また、サウナに入ることにより、脳内のα波とβ波という脳波が正常になることも分かっています。これは、パソコンでいえばメモリが増えた状態、ワーキングメモリが増えた状態と言えます。

これは例えるなら作業机や作業場が広くなったのと同じ状態です。それによって当然作業効率は上がりますので、難しい作業をこなせたり、いつもより作業自体を効率よく行なえることとなりますので、頭が良くなったとも言えるかと思います。

さらには脳波の正常化により集中力もアップしますので、作業効率はさらに良くなりますし、アイデアも湧きやすくなります。

特にα波は集中力アップに、β波はアイデアやひらめきに関わっていますので、それらの効果により、サウナに入ることで頭が良くなり、アイデアが湧きやすくなると言われているのです。

実際、創造性を求められる職業の人たちや、多くの問題を処理する必要があり、斬新なアイデアも必要とされる経営者の多くがサウナを好む理由も、このあたりにあるのではないでしょうか。

実は、普通に入浴するだけでもα波は出るのですが、サウナに入ることでβ波の効果も得られますので、やはりサウナは脳にも良い効果あり、と言えるのではないでしょうか。

睡眠の質が上がる

続いてのサウナによる身体的効果は、「睡眠の質が上がる」です。

こちらも私自身が実感している効果のひとつです。しばらくの間、ストレスや疲れなどからあまり熟睡できない時期が続いていたため、色々な快眠法を試してきました。

もちろんそれぞれ多少の効果はあったのですが、本当に気持ちよく熟睡できたなー、と感じたことは1年近く無かったような気がします。

ですが、サウナに行くようになると、サウナに行った日の夜は特によく眠れた感じがしますし、継続的にサウナに行っていると、普段から以前に比べて眠りの質が良くなったのが実感できるようになってきました。

それまでは夜中に何度か目が覚めてしまったり、寝つきが悪かったり、朝も目覚めが悪かったり、という事が多かったのですが、少しづつそういった事も減っていきました。

実際、サウナに入ることで交感神経と副交感神経の切り替えが頻繁に行なわれますので、段々と切り替えが上手に行なえるようになっていきます。

その結果、自律神経の働きが正常化されますので、睡眠の質が上がり、安眠効果が実感できる、というわけです。

また、低温サウナの場合には、鎮静作用が働くようで、こちらも安眠効果が期待できるとのことです。これは、お風呂に入った夜などに良く眠れるといった経験をされたことがある方も多いと思いますが、似たような感覚で、なんだかいつもより早く眠くなり、寝つきも良く、結果翌朝の目覚めもすっきり、といった感じに似ていますね。

痩せやすくなる・汗が出やすくなる・肌がキレイになる

サウナというと、ものすごく汗をかく、というイメージがあると思います。確かに実際かなり大量の汗をかきます。

そのことから、まるでボクサーの減量のようなイメージで、サウナで痩せられるという印象を持っているかたもいるのではないでしょうか。

では実際、サウナにダイエット効果、痩せる効果はあるのでしょうか。

確かにサウナに入ることで大量に汗をかきますので、一時的には体重も減りますが、その後の水分補給は欠かせませんので、サウナだけによるダイエット効果というのは実のところそこまで期待はできないようです。

ただし、全く効果が無いわけではありません。サウナは痩せやすい身体をつくるという点では効果があるからです。

サウナの高温環境では体温が上昇するので、血流が良くなり汗もたくさんかきます。その結果、代謝が上がる事で痩せやすい身体になる、というわけです。

また、夏は冷房などで汗腺から汗が出にくくなってしまう人も多いですが、そんな方でもサウナでしっかりと汗をかくことで、汗腺の機能を高め、汗腺や皮脂腺につまった老廃物を流してあげることで清潔に保ち、汗が出やすい健康的な身体に戻すこともできます。

さらには美肌効果もあると言われていますので、冷房による冷え性に悩む女性にもサウナ人気が上がっているのだと思います。

自律神経を整える

こちらはすでに何度か出てきましたが、サウナと水風呂による温度刺激によって、自律神経の調節力を高める効果が期待できます。

サウナと水風呂、そして外気浴というルーティンは、熱い状態と冷たい状態という刺激を身体に与え、緊張状態とリラックス状態を交互に体験することになりますので、その結果自律神経が整えらえるというわけです。

実際、自律神経の乱れによる身体や心の不調で悩んでいる方はかなり多いようで、原因不明の体調不良などの中にも自律神経の乱れによるものもあるようですから、自律神経を整えることには多くのメリットがあると言えるでしょう。

HSP(ヒート・ショック・プロテイン)

ヒート・ショック・プロテインという言葉を聞いたことはあるでしょうか。

これは、細胞に熱を加えることで、細胞内にHSP(ヒート・ショック・プロテイン)が生まれるのですが、このHSPには損傷を受けたタンパク質を元通りに修復する機能があるのです。

以前テレビ番組で、野菜を50℃程のお湯につけることで長持ちさせられる、という実験をしていたのですが、これもHSPの働きによるものと説明されていました。

人間の細胞は、疲労や紫外線、ストレスなど様々なものによって損傷しますが、このHSPにより損傷した細胞を修復する力が高まる効果もサウナには期待できる、というわけです。

精神的効果

ストレス解消

サウナに入ることで得られる良い効果は、身体的効果だけではありません。メンタル面、精神的な効果というのも期待できます。

例えば、ストレス解消ですが、これはサウナ内の高温の空気によって全身の皮膚が刺激されるのですが、その結果として中枢神経の興奮が高められます。

中枢神経の興奮が高まると、神経による身体機能の調整が促され、その結果としてストレス解消につながる、というわけです。

こちらについても、正直くわしい原理は分からなくても、実際にサウナに行った後は気持ちも非常にスッキリして、嫌なことも忘れるくらい気持ちよくなるのは私自身もいつも実感していますので、効果はあると思います。

メンタルが安定する

メンタルの安定もサウナによる精神的な良い効果のひとつです。

これには、「自律神経の正常化」や「血流アップ・代謝アップ」といった効果が関係してきますが、先ほども述べたように、サウナ→水風呂→外気浴の一連の流れによって、交感神経と副交感神経の切り替えが頻繁に行なわれることで、切り替え自体が上手く行なえるようになります。

その結果、自律神経の働きが正常化されたことで、メンタルが安定するというわけです。

そして、メンタルが安定してくると、感情のコントロールも上手になります。すると、イライラが減ったり、心が落ち着いたり、ネガティブな感情が減るなど、様々な良い効果が期待できるわけです。

こちらのメンタルの安定、という点についても私自身がかなり実感しており、仕事のストレスや忙しさなどでイライラしがちだったり、どうしてもネガティブな感情が多くなってしまう事が増えていたのですが、サウナを習慣化することで、一時の感情に振り回されることが減り、気持ちの切り替えも上手になり、今まで以上に日常生活を楽しめるようになった気がします。

サウナの正しい入り方・効果的な入り方

自分が一番気持ちいいと感じる入り方がベスト

ここまでサウナについて、身体面、メンタル面での良い効果をたくさんお伝えしてきましたが、最後に、サウナの効果を最大限活かすための、サウナの正しい入り方、効果的な入り方をお伝えしたいと思います。

とは言っても、そんなに難しいことや特別なことはありません。

基本としては「サウナ→水風呂→外気浴」というルーティンを1セットとして行なって頂くだけです。そして、それぞれの間隔、サウナから水風呂へ、水風呂から外気浴へと移る間隔は短い方がベターです。

また、それぞれにかける時間は、サウナと外気浴については5~10分程度、水風呂は数十秒~2、3分程が目安とされています。

ただし、目安の時間については、その時のあなたの体調や、温浴施設のサウナや水風呂の温度などにより変わりますので、絶対に無理をしないことが大切です。

何よりも「自分が一番気持ちよいと感じる入り方がベスト」ですし、それが最もリラックス効果を得られるからです。

そのためには、できることなら色々なサウナ、水風呂、外気浴を実際に体験してみて、あなた自身のお気に入りのサウナを見つけるのが良いでしょう。

私自身も様々なサウナを見つけては試していますが、その時の体調や気分に合わせ、「サウナの温度や広さであそこに行こう」とか、「今日は天気も良いから外気浴をゆったり楽しめるあそこに行こう」といった感じでいくつかお気に入りのサウナを決めています。

そして、時間ではなく身体の状態に合わせてサウナや水風呂に入る時間を調整していますが、例えばサウナですと、心拍数が通常時の2倍程度になり、背中の真ん中が温まればOKと言われています。

そしてルーティンを何セット行なうかも人によって変わってきますが、一般的にはサウナ、水風呂、外気浴を3~4セット行なうのが良いとされていますので、私も普段は大体3セット行なうことが多いです。

もちろん回数についても体調などに合わせて調整し、無理はしないことを心掛けています。

他には、サウナは大量の汗をかきますので、できれば各セットの間には水分補給を行なうのが良いと言われています。少なくとも脱水状態でのサウナはNGですので、入る前にも意識して水分を取ってから入るようにしましょう。

さらに、サウナ内での姿勢についても、より効果的に入る方法があります。それは「あぐら」「体育座り」と呼ばれるひざをかかえるような座り方です。これらは頭と足の高さを合わせることができるため、身体がムラなく温まるためです。

椅子に座るような体勢ですと、どうしても頭の方が高く足は低いので、高い方にある頭ばかり早く暑くなってしまい、のぼせたり、しっかり全身が温まりにくいからです。もちろんサウナの広さによっては難しい場合もありますが、覚えておくとよりサウナを楽しめると思います。

このように、サウナはひとたびハマるとかなり奥が深いことがお分かり頂けると思います。そして、あなた自身で色々と試してみながら、自分自身が最も気持ちよいと感じる状態を見つけるのもサウナの大きな楽しみのひとつと言えるのではないでしょうか。

交代浴について

最後に交代浴について少しだけ補足しておこうと思います。

交代浴とは、熱い状態のサウナと冷たい水風呂を交互に行なうことで、1セットの中では途中に外気浴が入る感じになります。

ただ、中には水風呂がどうしても苦手という方もいるようで、サウナと外気浴だけでも良いのではと思われているようなのですが、やはり何度もお伝えしたように水風呂なしではサウナの本当の良さ、本当の効果は得られません。

暑いサウナで血管が拡張した状態で冷たい水風呂に入ることで、皮膚の血管が急激に収縮し、その結果として、水風呂を出たあとには血管が反射的に拡がり、血行が良くなります。

さらに、交代浴によって血管自体が鍛えられ、自律神経の調節能力を高める効果も期待できますので、水風呂あってのサウナと言えるでしょう。

ただし、これはあくまで健康な方の場合で、動脈硬化症や高血圧、糖尿病や心臓病といった持病がある場合などはリスクを伴いますので、避けた方が良いと言われていますし、必ず医師に相談することをおすすめします。

健康な方で水風呂が苦手という場合には、慣れるまでは息を吐きながら入るととっても入りやすいですので、ぜひ試してみてください。何度かやっているうちに気づいたら慣れてきて、そのうち普通に入れるようになると思います。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。この記事を読んで少しでもサウナに興味を持っていただいたり、サウナをもっと楽しんで頂けたなら光栄です。

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