あなたは時間管理が得意な方でしょうか?
それとも苦手でしょうか?
特にビジネスにおいては時間管理、タイムマネジメントは重要と言われることが多いですが、その一方で、時間管理が苦手、難しいと感じている人も多いようです。
そこで今回は、そんなあなたに向けて、すぐにでもできる時間管理のコツ、ポイントをお伝えしたいと思います。
ぜひ最後まで読んでお役に立てて頂ければと思います。
時間管理とは
そもそも「時間管理」とは何でしょうか?
時間管理とは、簡単に言うと、「最も重要なことに集中できるように、時間を自分でコントロールすること」と言えます。
単に目の前にあるタスク、やることリストを忙しく消化していくことではありません。
あなたは、「最も重要なこと、集中すべきこと」が何かを把握していますでしょうか?
時間管理とは、「本当に必要な作業、重要なタスクが何なのかを精査し、自分自身のための空き時間を作ること」でもあります。
空き時間を作ることで、余裕をもって仕事ができます。
この余裕を持った状態を作り、それを維持することが時間管理においては重要なポイントであり、かつ難しいポイントでもあります。
では、どうすれば「余裕をもって仕事ができる」状態になれるのでしょうか?
余裕を持つためには、「何をすべきかを把握する」のはもちろん、「何をしなくて良いかを把握すること」も非常に大事です。
なぜなら、大抵の場合は全てに対応していては時間が足りないからです。
そもそも、やるべきことが少ない場合には時間も余裕もたっぷりあるはずですから、時間管理に悩むこともないですよね。
時間管理の必要性を感じているということは、時間が足りず、余裕も無くて困っているはずです。
だからこそ、「何をしなくて良いかを把握」することで、持てる時間で対応できる範囲、対応すべき量をコントロールする必要があるのです。
「いつするべき」なのか、「どれくらい時間がかかる」のかが把握できている状態、コントロールできている状態が、時間管理ができている状態といえます。
タイムマネジメントとは
時間管理と同じ意味で良く聞く言葉として、「タイムマネジメント」があります。
日本語に訳すと「時間の管理」となりますから言葉としては同じものです。
ただ、ここでは特にビジネスシーンにおけるタイムマネジメントとはどういったものなのか、を知っていただければと思い、取り上げてみました。
タイムマネジメントとは「時間の使い方を改善することで、生産性の向上を図ること」といったような意味で使われることが多いです。
例えば、同じ時間を使って作業しても倍の成果を出せるようにしたり、同じ成果を半分の時間で出せるようにすることを目指す、といったイメージです。
「使う時間を変えずに、より多くの成果を出すのか」あるいは「いまの成果は維持しながら、使う時間をできるだけ短縮することを目指すのか」、どちらを目指すのかは目的に応じて変わります。
そしてもう1つ、タイムマネジメントを考える上で知っておいていただきたいポイントがあります。
それは、タイムマネジメントとは「時間自体」を管理するものではない、ということです。
「時間の管理」なのに「時間自体」を管理するものではない、というのは謎かけみたいでしっくり来ない人もいるかもしれませんので、もう少し詳しく解説します。
タイムマネジメントが「時間自体」を管理するものではないのは、以下が理由です。
「時間は誰にとっても平等で、1日24時間は変わらないから」
どれだけ忙しくても、どれだけお金があっても、どれだけ仕事ができても、1日の時間を24時間以上に増やすことはできません。
では、どうすれば良いのか?
答えは簡単、「時間の使い方」「行動」をマネジメントするのです。それこそが「タイムマネジメント」です。
いかに時間を効率よく使い、それでいて最大限の成果を上げ、その為に必要な行動をコントロールする、これこそが最も重要かつ正しいタイムマネジメントの姿と言えるのです。
時間管理のコツ
それでは、ここからは時間管理のコツを具体的に見ていきましょう。
費やした時間を記録する
非常にシンプルですが、とても効果的な方法です。
「何にどれだけ時間を使ったのかを把握する」という訳ですが、お金の管理をする際を思い浮かべて頂ければ、その重要性と効果はお分かりいただけると思います。
お金、例えば家計を管理して節約したい、お金を貯めたいと思った時、思い浮かぶ方法は何があるでしょうか?
いくつかあると思いますが、昔ながらの方法で、かつ効果の高い方法は、やはり「家計簿をつける」ということではないでしょうか。
私自身も節約しようと考えた時に家計簿をつけ始めましたが、実際に予想以上に効果を実感できました。
家計簿は、家庭の収入や支出を把握するためにつけるものですが、時間管理においても、全体を俯瞰して見ることで、ムダがどこにあるのか、何から対策すべきかが明確になります。
そのためには、費やした時間を記録する方法はとても有効な方法のひとつです。
現状が把握できていなければ改善は難しいですよね。
何を改善すれば効果があるのか、何が問題点なのかが分からなければ対策も立てられません。
実際に時間を記録する際には、以下のようなポイントを意識すると良いと思います。
- 各作業、タスクの内容をできる限り詳細に、具体的に分類して記録する
- 日単位や週単位で記録する
- 記録したデータを元に、時間の浪費となっているものが何かを調べる
各作業については、単に「仕事」や「勉強」とおおまかに分けるだけでは効果が低いです。
改善すべきポイントをしっかり把握するには、できる限り詳細かつ具体的な分類を心掛けましょう。
また、「時間の浪費」についても少し注意が必要です。
なぜなら、時間の浪費となりえるものは人によって違うからです。
あなたが時間管理を行なう際に見つけるべき時間の浪費とは、「あなたにとって浪費と思えるもの」これを見つければ良いのです。
他に人にとっては浪費でも、あなたにとって意義のある時間、有意義な時間であれば、それは浪費ではありません。
あなたにとって時間の浪費となっていることが分かれば、あとはその時間を、「あなたにとってもっと重要で意義のあること」に充てることができます。
必要であれば、浪費になる作業を外注したり、他人にお願いすることも考えてみる、など対策はたくさんあるはずです。
自動化やテンプレート化できないか考えてみる
日々仕事をこなしていくなかで、時間はかかるものの、作業としてはルーチン化できるような単純作業や繰り返しの作業もあるかと思います。
そういったものは、自動化やテンプレート化ができないかを考えてみましょう。
ご自身でマクロやプログラミングなどが得意であれば、みずから自動化ツールを作っても良いでしょうし、知り合いにそういったことが得意な人がいればお願いしてみるのも良いかもしれません。
多少のコストがかけられるなら、ランサーズやクラウドワークスのようなサイトで依頼してみるのも良いでしょうし、すでにある無料または有料のツールやアプリが使えないか探してみるのも良いと思います。
何が何でも地道に手動でやらなければ、と思っている人も意外と多いのですが、一度自動化やテンプレート化によって効率化をしてしまうと、きっと、もっと早くやれば良かった!と思うほど効果を感じられるはずです。
生産性が高い朝の時間を有効に使う
モーニングメソッドという言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、朝の時間を有効に使うことは、多くの人にとって非常に効率的な方法と言えます。
なぜなら、極端に朝が苦手な人を除き、大抵の人は朝が一番エネルギーが高く、夕方に向かいどんどんエネルギーを消費していくからです。
朝は集中力もまだ高い状態にあり、かつ昼間のように誰かに邪魔されることも少ないため、パワーを必要とするようなタスクや、単純だが量をこなさなければいけない面倒なタスクを片付けてしまうのにも適していると言えます。
少し早起きしてみる、あるいは少し早く出社してみる、などあなたの環境でできそうなことから試してみてはいかがでしょうか。
忙しいことと生産性が高いことはイコールではないことを理解する
たまに、「仕事ができる」ことは「常に忙しくしている」ことだ、と勘違いしている人を見かけることがあります。
あなたの周りにも、そういった人はいないでしょうか?
もちろん、タイミング等によって一時的に非常に多忙になる場合はあるでしょうが、毎日毎日朝から夜まで常に忙しい、というのは、はたして生産性が高いと言えるでしょうか?
冒頭にもお伝えしたように、時間管理で重要なのは「余裕」です。
しかし、常に多忙な状態ということは「余裕がない」ということです。
そんな中で、少しでも効率よくしようと仕事に優先順位をつける人がいますが、仕事量が多すぎる場合には、いくら優先順位をつけても、先にやるか後にやるかの違いだけで、全体としてやる量、かかる時間は変わりません。
そのため、時にはしっかりと断ることも大切です。やらないタスクを見極めるのです。
そうすることで、突発的な事態に対応できるように、時間的な余裕を確保しておくことができるのです。
ツールをうまく活用する
自動化、テンプレート化のところでも少し述べましたが、時間管理に役立ちそうなツールは数多くあります。
ただし、人によって効率化したいポイントや、使い勝手、得意不得意、環境もさまざまなため、ここでは特定のツールをおすすめとして紹介することはしません。
ただ、ツールを選ぶ際のポイントはお伝えしておこうと思います。
- ツールによって逆に効率が悪くならないよう気をつける
- 最初から全てをツールで管理しようとしない
- 必ずしも無理にツールを使わなければいけない訳ではない
たとえば、ツールを操作することに時間を取られ過ぎてしまい、逆に効率が悪くなってしまったなどという状況は笑えませんよね。
そのため、選んだツールがシンプルで直感的に操作できそうかどうか、自分に合っているかを見る必要があります。
お試しで使えるものや無料のツールなら、一度試しに使って比較してみるのが良いでしょう。
また、最初から全てをツールで管理しようとせずに、まずは自分の苦手なところ、効率化につながりそうな点を把握し、そこを解消できるものを探してみるのがおすすめです。
そして、必ずしも無理にツールを使う必要はありません。
大事なのは、あなたにとって、そのツールを使うことで効果が実感できるものかどうかです。
自分の現状がどうなっていて、どういった機能のツールを使い、何ができたなら効率化できそうなのか、ある程度見えてからでも遅くはありません。
アポイントメントとタスクを理解する
アポイントメントとタスクの違い、あなたは説明できるでしょうか。
言葉としては普段からよく使っていても、いざ説明するとなると、一瞬考えてしまう方も多いかもしれません。
アポイントメントとは、会議や打ち合わせなど「時間が決まっているもの」、一方タスクは「時間が決まっていない仕事」と考えるとシンプルで分かりやすいと思います。
基本的にアポイントメントは相手がいるものですので、自分の都合だけで好きなように時間をずらしたり、変更したり、コントロールすることは難しいことが多いはずです。
逆に、タスクは納期などの期限は決まっていても、いつ作業するかは自分で決められる仕事ですので、コントロールの余地があります。
目標(何を、いつまでに、どこまでやるか)を決めるのも有効ですし、内容によっては細かく分けて行なうことで、時間管理がしやすくなります。
ぜひ、あなたのスケジュールの中にある「アポイントメント」と「タスク」を意識するようにしましょう。
そして、リソースを上手に活用するのも、時間管理をうまくおこなうポイントのひとつです。
リソースとは、ここでは空き時間であったり、手伝ってもらえる人などを言います。
常に空き時間を使い切ってしまわないよう、余分な時間を残しておくよう意識しましょう。
また、誰かに手伝ってもらったり、自ら依頼した際には、期限がくる前に事前チェックを行なうことが大切です。そうすることで、不測の事態が起きてもバックアップができるからです。
フレームワークを活用する
世の中には、フレームワークと呼ばれる、物事を上手に効率よく行なうための型が数多く存在します。
例えば時間管理に有効なものをいくつか挙げるとするなら、「ロジックツリー」や「ブレインストーミング」、そして「アイゼンハワーマトリクス」などが使いやすいのではないでしょうか。
「ロジックツリー」は問題をツリー上に分解していくことで原因や解決策を論理的に探す方法ですし、「ブレインストーミング」も制約を取っ払って自由にアイデアを出す際によく使われますが、これらを使うことで、「何をやるべきなのか」、「何をやらなくてよいのか」を洗い出すのに役立ちます。
また、「アイゼンハワーマトリクス」は「緊急度」と「重要度」の2軸でタスクを4つに分類することで、タスクの優先度、優先順位を把握するのに役立ちます。
フレームワークについては、また別の機会に詳しくお伝えできればと思いますが、興味のあるかたはぜひご自身でも調べて、使ってみてください。
すき間時間ができた時にやるタスクを決めておく
あなたは普段、すき間時間ができた時にやることを、あらかじめ決めていますでしょうか?
「すき間時間」というくらいですから、前もってできるタイミングが分かっている場合もあるでしょうが、急に時間ができた、という場合も意外と多いのではないでしょうか。
そんな時、「少し時間ができたし、何をしようかな」と考え始めるのは、時間管理という点でいうととてももったいない状態です。
事前に、ある程度短時間でできるタスクを把握しておき、あらかじめすき間時間ができた場合に行えるように想定しておくのが良いでしょう。
そうすることで、すぐに取り掛かることができますし、何をやろうか悩んでいるうちにまた忙しくなってしまった、という状況も避けることができます。
適度なリフレッシュも大事
時間管理のコツ、ポイントについていくつかご紹介してきましたが、あまりにもスケジュールをぎゅうぎゅうに詰め込み、常に最大限の効率化ばかりを考えていては、さすがに疲れてしまいます。
やはり、適度なリフレッシュをすることも、結果的には時間管理の点からも大事なことです。
なぜなら、だらだらとやり続けたり、疲れていても無理して続けても集中力が落ちて効率が悪いからです。
それならいっそのこと、短時間でもリフレッシュすることで、また集中力が戻りますし、パフォーマンスが上がって結果的には効率よくタスクをこなすことができます。
普段あまり休憩を取らないという人も、意識的に適度なリフレッシュを心掛けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
最も重要なことに集中できることが大事
時間管理のコツ、いかがだったでしょうか。
すでに行なっているものもあったり、知っているものも多かったかもしれませんが、もし少しでも役立ちそうなものがあったなら、ぜひとも取り入れてみて頂ければと思います。
繰り返しにはなりますが、時間管理において大切なのは、「最も重要なことに集中できるかどうか」です。
さほど重要ではないことに多くの時間を取られ、最も重要で最も集中すべきことにあまり時間を使えていない、というかたは、今回お伝えしたコツやポイントを意識して、ぜひとも時間管理術を身に付けて頂ければと思います。
時間管理術は仕事だけではなく、様々なシーンで役に立つはずですから、しっかり身に付けておいて決して損はしないと思います。
現状把握、ゴール設定、適切な対策
最後にもう一度、時間管理術、タイムマネジメントのポイントについてまとめておきましょう。
簡潔に言えば、
「現状を正しく把握し、目指すゴールを定め、適切な対策を行なうこと」
これが時間管理のポイントです。
決して、ガチガチにビッチリと埋まったスケジュールを組むことが時間管理、タイムマネジメントではありません。
- いまどうなっているのか
- 本当はどうなりたいのか
- そのために何をすれば良いのか
まずはここを整理するところから始めてみましょう。
余裕が大事
あまりに厳密にスケジュールを立てるのもおすすめはできません。
なぜなら、厳密なスケジュールを立てようとした場合、そもそも計画を立てるのに時間がかかりすぎるからです。
さらには、完璧と思えるほど厳密に立てたスケジュールも、ほとんどの場合その通りに行くことなどないからです。
アポイントメントや大事な約束、あらかじめ日時の決まったイベントなど、外的要因で決まるスケジュールを先に埋めてしまい、自分で完結できるものは余裕をもたせて柔軟に変更するぐらいでちょうど良いと思います。
コントロールできている状態を目指そう
あなたが目指すべきは、余裕を持ったスケジュールで、自分にとって意義のあることにしっかり時間を使えるようコントロールできている状態です。
最初は難しいかもしれませんが、まずは意識してみることからで大丈夫です。
日ごろから「余裕を持つこと」「自分にとって意義のあること」「時間をコントロールできていること」を意識するだけで、自然と行動も変わってくるからです。
意識が変われば行動が変わり、行動が変われば習慣も変わる。
まずはあまり難しく考えず、初めてみましょう!
自分を責めない
最後にあと一つだけお伝えしたいことがあります。
それは、
「立てたスケジュール通りに進まなかったからといって自分を責めない」
ということです。
余裕があれば、リカバリーも可能ですし不測の事態や最悪の事態を想定しておくこともできます。
自分を責めるのではなく、むしろリカバリーできたことや、事前に想定できていたことをほめてあげましょう。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。
少しでもあなたのお役に立てるものがあったなら嬉しいです。それでは、また!
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