あなたは物事を長続きさせるのは得意な方でしょうか?
それとも、なかなか長続きしないタイプでしょうか?
多くの方が、強い決意と素晴らしい目標を持って物事を始めたのにも関わらず、なぜか長続きせず、三日坊主や、短期間で挫折してしまう事が多いと悩んでいます。
もしあなたも同じような悩みを持っているならば、今回の記事はきっとあなたの役に立つと思います。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
それでは、まずは、「どうして多くの人が三日坊主で終わってしまうのか?」、その理由を「脳の働き」という観点から見ていきましょう。
脳の働き
「安定化思考」と「可塑性」
脳の働き、機能として、「安定化思考」と「可塑性(かそせい)」というものがあり、それぞれは以下のような特徴を持っています。
安定化思考
その名の通り、「できる限り今のままでいようとする」「変化を好まない」「安定させようとする」働きの事です。
似たようなものとして、「現状維持バイアス」というものもあるのですが、この現状維持バイアスは、人間の進化に必要な要素として備わっている潜在的な心理傾向です。
この現状維持バイアスの働きによって、変化を受け入れることに心理的な抵抗が生じ、現状に固執してしまう傾向が見られるのですが、「安定化思考」も基本的には同じようなイメージで捉えて頂ければ分かりやすいかと思います。
「安定」すなわち「変化させない」ということは、時と場合によっては必要かつ重要な事でもあります。
この働きは、未知の選択をして命を落とすリスクを避けるための本能的な働きであり、生命を維持するために必要なものでもあるのです。
つまり、いま生きていられるのであれば、わざわざリスクを冒して変える必要はない、今のままを維持しよう、という判断です。
可塑性
一方で、可塑性とは、「外からの刺激を受けて徐々に変化していく性質」のことで、つまりは「少しづつであれば変われる性質」のことです。
また、可塑性を持つものは、ゆっくり力を加えて変形させれば、その後は力を加えなくても元には戻らない、という性質も持っています。
これは、例えば、粘土であったり、金属を加工する場合をイメージすると分かりやすいかもしれません。
ちなみに、可塑性の対義語としては「弾性」となり、弾性を持つゴムなどは、力を加えて変形させても、力を加えるのを止めると、自然と元に戻りますよね。
そういった特性を持つ「可塑性」ですが、「可塑性がある」ということは、言い換えれば「柔軟さを持っている」とも言えます。
脳は2つの性質を併せ持っている
脳は、「安定化思考」だけでも、「可塑性」だけでもなく、両方の性質を併せ持っているのです。
そのため、一気に何かを変えよう、急激に大きな変化を起こそうとしても、「安定化思考」の反発に合い上手くいきません。
あなたも、最初はやる気満々だったのに、変われそうな気がし始めたら急に不安になったり、やる気が無くなって止めてしまった、という経験は無いでしょうか?
それが、安定化思考の働きによるものです。
この、「安定化思考の反発」と「可塑性」を理解していると、物事を継続させて習慣化するには、脳が変化に気づかないぐらい、安定化思考の反発に合わないくらい徐々に変えていくことで、今度は「可塑性」が働いて変化していくので、上手くいくことが分かります。
これが、脳の働きを上手く使った、物事の継続法、自分を変えるコツです。
それではさらに、習慣化させるポイントも見ていきましょう。
シナプス
「シナプス」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?
色々な場所で出てくる単語ですので、名前は知っているという方も多いかもしれません。
シナプスとは簡単に言うと、脳の中で神経情報を伝達する回路のようなものです。
何か情報が脳に入ると、脳には全部その情報が記憶されます。全て脳のどこかに刻み込まれるのです。
そして、そのあとで脳は情報同士をつなげていきます。
この関連付けがシナプスにあたり、何か行動するたびに、関連付け、すなわちシナプスが1本できます。
この流れを何度も繰り返すことで、「習慣」ができあがります。
それは、シナプスがどんどん太くなっていくイメージで、仮に1万回も繰り返せば、もはや何も考えなくても自動的にできるようになる、といった仕組みです。
それでは、具体的な行動、方法についても見ていきましょう。
習慣化・継続のコツ
習慣化・継続のコツとしておすすめの方法のうち、代表的なものを以下にまとめてみました。
- やる時間を決める
- 前日のうちに次の日のやる事を決めておく
- やらざるを得ない状況を作る
- 必ずやる事とひもづける
- やることを絞り込む
- 細分化して簡単にする
- セーフティーネットを決める
それぞれ簡単に解説していきます。
やる時間を決める
人はスケジュールが決まっていると動きやすいものです。そのため、できるだけ詳細に時間を決めておくと効果的です。
そうすることで、事前にやることがイメージができるため、スムーズに進めることができるからです。
前日のうちに次の日のやる事を決めておく
先ほどの「やる時間を決める」ともつながってきますが、「いつやるのか」「どれくらいやるのか」「具体的な方法」までを前日のうちに決めておくのです。
そうすることで、せっかくしっかりスケジュールを立てたので、なんとか実行しようという気持ちも強くなりますし、急な予定が入ったとしても、ある程度事前にスケジュールを決めてあるので、調整もしやすいというメリットもあります。
やらざるを得ない状況を作る
これは、例えば「あらかじめ予定を埋めておく」とか、「周りに宣言してしまう」などを行なっておくことで、決めたこと以外できない状況を作る方法です。
信頼できる人に完了報告をするといった決め事をしておくのも有効な方法です。
とにかく、周りも巻き込んで、半ば強制的に実行する方法と言えます。
必ずやる事とひもづける
これは、やるべき事を忘れないように、常に目につく状態、すぐにできる状態にしておく方法です。
例えば、枕元にノートを置いておき、夢で見たアイデアや、ふと思いついたことをすかさずメモする、といった方法を実践している人もいます。
他にも、目標ややるべき事をスマホの待ち受けにすることで、必ず日に何度も目にすることになります。
他にも、思い立った都度スマホにメモをするなどの習慣を付け、思い立ったらすぐできる状況を作っておくことで、わざわざ気合を入れて、毎回重い腰を上げて準備する手間を省くようにします。
やることを絞り込む
行動する際に、やることが多すぎると行動できなくなってしまう、というのはよくあることです。
そうならないように、まずはやるべきことをとにかく1つに絞り込むのがベストです。
物事が上手くいく人は、まず決めて、行動します。そして、上手くいかない所を修正していきます。そうすることで次の段階が見えてくるからです。
一方、上手くいかない人は、考えてばかり、悩んでばかりで行動しません。
どんなに悩んで決めても、上手くいくかいかないかは、実際にやってみないと誰にも分かりません。
仮に上手くいかなくても、やった事は必ず経験になっているので、次に行なう時には前より早く上手く行なえるようになっているものです。
細分化して簡単にする
これは「スモールステップ」とも言われる方法ですが、目標達成に必要な行動を一気に行なうのではなく、細分化することで、1つ1つの作業が簡単になり、行動し始めるハードルを下げるという方法です。
実際にやってみると分かりますが、最初から大きな事をやろうとすると不安になったり、迷ったり、腰が重くなりがちですが、簡単なことであれば、「そのくらいならすぐできそうだな」と気楽に取り組めます。
そして、一旦始めてしまえば、後は自然と集中力も高まり、気づけば思った以上にはかどった、という事もよくある事です。
セーフティーネットを決める
これは、もしできなかった時の事、上手くいかなかった時の事を事前に想定し、予備のやり方を考えておく、という方法です。
これは特に、「もしやってみて上手くいかなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」と悩んでなかなか行動できない人に特におすすめです。
あらかじめ予備のやり方、セーフティーネットを決めておくことで、もし失敗しても大丈夫、という安心感が得られ、行動しやすくなります。
習慣化のメリット
ここまで継続のコツ、習慣化の方法について見てきましたが、いかがだったでしょうか。続いては、「習慣化することのメリット」についても知っておいて欲しいと思いますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
習慣化しなければ絶対に長続きしない
まず知っておいていただきたいのは、何か物事を長続きさせようと思った時、習慣化をしなければ絶対に長続きしない、という事です。
そして、一度習慣化してしまえば、慣れてしまえば、ほとんどエネルギーを使わずにできるようになる、これが大きなメリットと言えるでしょう。
習慣化していないことを何かやろうと思った時には、色々な考えが頭に浮かび、「どうやってやろうか」、「どれくらい時間が必要だろうか」、「いつやろうか」、「面倒だなぁ」、「今は少し忙しいからまた今度にしようかなぁ」などと迷いや不安も含めて考えるエネルギーを必要とします。
そのため、なかなか開始できなかったり、毎回エネルギーを使うことがしんどくて、結局気づいたらやらなくなってしまう、といった事が起こります。
一方で習慣化したこと、例えば歯磨きなどが良い例ですが、これらはどうでしょうか。しっかり習慣化していれば、もはやほとんど何も考えずに、無意識に食後勝手に磨いている、といった人も多いのではないでしょうか。
人によってはもはや磨かないと逆に気持ちが悪い、という人もいると思います。
このように、習慣化したことであれば、ほとんど開始のためのエネルギーを使わずに行なうことができます。
ですから、あなたが考えるべきは、「習慣化するために、いかに簡単に、楽に続けられるか」、その方法についてです。できれば前章でお伝えしたようなコツを上手く使って仕組み化してしまうのが簡単です。
また、習慣化するためには、「頑張り過ぎない」ことも重要です。
肩の力を抜いて、普通にやり続ける方が習慣化できます。
100%完全にやろうと思わず、70%できればOK、ぐらいに考えましょう。
特に目標を決めてスタートしたばかりの時などは、つい頑張り過ぎてしまうものです。その気持ちは他人事では無いくらい私も良く分かります。
私もスイッチが入ると一気に集中してやってしまうタイプです。
もちろんそれが悪いわけではありませんが、習慣化するという点で言うと、頑張り過ぎは上手くいかない要因になる事も多いのです。
最初はうまくできなくても良いので、とにかく日課にしてコツコツ続けましょう。ルーチン化してしまい、決まった時間に行動することが成功のポイントです。
成功に必要なのは「習慣」
「成果を上げる」「成功する」ためにも「習慣」は必要不可欠と言えます。
マネジメントの父として日本でも有名なピーター・ドラッカーも、自身の本「プロフェッショナルの条件」で次のように述べています。
「成果をあげる人に共通しているのは、自らの能力や存在を成果に結びつけるうえで必要とされる習慣的な力である」
ピーター・ドラッカー著「プロフェッショナルの条件」
また、次のようにも言っています。
「成果をあげることは一つの習慣である。習慣的な能力の集積である。そして習慣的な能力は、常に修得に努めることが必要である」
ピーター・ドラッカー著「プロフェッショナルの条件」
つまりは、うまくいく習慣を身に付ければ、おのずと成功できる、ということです。
成功するための行動を習慣づけてしまえば、後は自動的に成功できるのですから、その習慣をいかに早く、効果的に身に付けられるかが大事になってきます。
そして、行動を習慣化することができれば、自信もどんどん増していきます。
自信をつけるためには、まずは小さいことからで良いので始め、徐々に大きなことに取り組んでいくのが良いでしょう。
まずは意識を変える
習慣化するにあたり、まず変えるべきは「意識」です。
意識を変えないと、行動は変わりません。
意識の伴わない行動は、決して習慣づきません。つまりは長続きしないということです。逆に意識を変えれば、自然と行動も変わってきます。
そのことを良く表した言葉がヒンズー経典にあります。有名な言葉で、少し形を変えながら色々な人がメッセージとして発していますので、もしかしたらあなたもどこかで聞いたことがあるかもしれません。
心が変われば態度が変わる。
ヒンズー経典より
態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
運命が変われば人生が変わる。
いかがでしょうか。まずはできるところからで大丈夫です。簡単なところからで大丈夫です。意識を変える、心を変えることから始めてみてはどうでしょうか。きっと驚くほどの効果があるはずです。
モチベーションの維持
モチベーションを維持することができれば、物事が続けられ、習慣化できます。
しかし、なかなかモチベーションを維持できない、という方も多いのではないでしょうか。そんな時はどうしたら良いのでしょうか?
例えば、ゴールやビジョンを明確に描き、定期的に見直したりブラッシュアップするのは効果的な方法です。
あるいは、週に一度やることリストを作るのも良いでしょう。達成した事をリストから赤いペンで消していくことで、脳に達成感を感じさせ、快感を与えることができます。
また、決めたタスクをしっかり完了できたら、自分に小さなご褒美をあげるのも悪くありません。
脳の中で「面倒なこと・大変なこと」と「うれしいこと・楽しいこと」を結びつけてあげるのです。
もっとモチベーションを上げる方法について知りたいというかたは、モチベーションについて書いた記事がありますので、ぜひそちらも読んでみてください。
それでは、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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